悩み解決 経営のヒント

今どきの若手社員との付き合い方とその実情を紹介

いつの時代も、上の世代は、自分より若い世代の扱いに困るもの。

これまでのビジネスシーンでは、30歳代後半以降の年代である先輩会社員や管理職者の方々の中に、20代の世代に対し「今どきの若者は……」のような嘆き言葉を発する方がいました。

 

この言葉は、よく聞く言葉ですよね。

こうした言葉を何度も掛けられ、疲弊してしまう若者は少なくありませんでした。

 

ただ、最近は実情が少し変化しています。

管理職など、年配社員が発する言葉が、単なる年齢を揶揄するフレーズから、「今の20歳代は、打たれ弱く指導しにくい」「何が動機付け・やる気(モチベーション)になっているかわからない」「すぐ答えを求める」に移っており、同時にその20歳代の若手社員との接し方に悩んでいる管理職も増えているようです。

なぜこのような変化が起きているのでしょうか。それは、平成時代~令和時代になり、会社員として就業する意識が変化していることが影響しているからです。

これまでのサラリーマンは、競争意識・出世欲・他人を蹴落とすなどのイメージが先行していましたが、2000年代に成人を迎えたデジタルネイティブが社会に出てから、会社員の仕事に対する姿勢が変異しています。こうした変化は、若手社員に非があるのではなく、30歳代以降の世代に明確に違うことを意味しているのです。

 

そのため、30歳代後半以降の年代の先輩会社員や管理職者の方々が、若手社員と接するときは、彼らの潜在的なニーズや目標を知ることでスムーズなマネジメントが実現します。

明日からの仕事、コミュニティにおけるコミュニケーションの参考にして頂けると幸いです。

 

1.「プチバズる」を求める

若者の多くは、バズるという感覚を重視しています。

「バズる」とは、話題が短期間で爆発的に話題が広がり、多くの人々の注目を集めることを意味する言葉。主にインターネット上におけるSNSなどで記事やつぶやきが、広く拡散する時に使われます。「プチ」をバズるの前に付けると、「ちょっとした」という意味が加わります。

 

このバズるかどうかを評価軸に、今の若手社員は、周囲から自分がどう見えているかを気にするようです。

SNSなどで、自分の投稿に「いいね!」が付くと承認欲求が満たされ、喜ぶ一方、逆にスルーされれば不安になる傾向があります。また、SNSで批判が殺到し炎上することはリスクの1つで、避けたがります。今の若者は、上記のような心情を抱えて就業するのです。

 

しかし、先輩会社員や管理職者など、30歳代後半以降の年配社員も他人の目は気になりますが、周囲の評価に対する反応は、若手社員ほど敏感な訳ではありません。

例えば、若手社員が、上長に業務報告をしたとき。上長に当たる年配社員の多くは、「ああ」「おお」と返します。こうした返事は、若手社員から見ると、反応が薄いように感じられ、既読スルーと似たような心境に陥るようです。

 

若手社員は、既読スルー状況であると「自分がいけないことをしたのか?」などと他者からの評価を気にします。反対に、大げさに褒め称えられるなど、過剰に反応されることも嫌います。

このことから、年配社員は、他の社員の前で「ご苦労さん」「お疲れさん」など控えめな言葉を若手社員にかけ、日常の業務に「プチバズる」という意識を取り入れることが大事です。

 

2.行動の根底にある「目的原理主義」

今の若手社員は、インターネットで答えを求めることに慣れており、理不尽に対する拒否反応が強いとされます。また、SNSなどで肩書・年代に捉われずに横一線の繋がりに慣れていることから、若手社員は、日本型商習慣の組織構成に馴染みにくい傾向にあります。

以前の会社員は、上司から理不尽な命令・指示を「仕事だから」と納得する・我慢して受けていました。それが社会人の世界であるという意識が強かったからです。ところが、今の若手社員は、1つ1つの命令・指示に対し「それは意味あるんですか?」「なぜそれを担当するですか?」と聞き、拒否することさえあります。

 

以前の会社員は、理不尽に耐え、出世・ボーナスなど、耐えた先に褒美を獲得したい希望・野心がありました。

一方で、今の若手社員は物事の合理性や意味を求めます。言い換えれば、若者の多くは常に物事の目的を優先する「目的原理主義」なようです。

 

3.コスパを優先

今の若手社員は、コストパフォーマンスを重視します。その傾向は、飲み会に対する反応に表れます。

これまでの社員は、会社の飲み会を、過去の辛い経験・修羅場をくぐり抜けたことを社員同士で称え合う場と捉えていました。

 

社員の多くは厳しい仕事への自負を持ち、業務中は「やるしかない」と腹を決め、辛い業務をやり遂げていました。その結果、以前の飲み会は、上長・先輩の「武勇伝」が聞ける場として、盛り上がりました。

しかし、今の若手社員は、そうした苦労話に価値を見出せないため、飲み会での「武勇伝」はNGです。この傾向は、若手社員が合理性を追求し、「コスパ」意識が強いことが、反映されているようです。

 

若手社員から見ると、会社のアフター5の飲み会や残業、出世など、会社に関わること全てがコスパを考える対象。このうち、出世が対象になっているのは、出世が仕事量に見合う報酬ではないからと言われています。

特に、会社の飲み会は、「参加・上長への心遣いの結果に対し、得るものが希薄だ」と考えるため、積極的に関わらろうとしません。さらに、若手社員は転職先・人脈がたくさんあるため、無理して職場の付き合いに関与しないようです。

 

まとめ:若手社員への最適な取り組みとは

どうすれば、若手社員に対してストレスを過大に与えることなく、管理・監督できるのでしょうか?

若手社員に居場所を感じてもらい、行動的な姿勢に持たせるための取り組みを紹介します。

 

ちょっとした(プチ)褒めで心の「いいね!」を連発しましょう

若手社員への褒め言葉は質より量です。小さな報告でも「ちょっとした(プチ)褒め」言葉を返してあげましょう。

「仕事が早いね」「わかりやすいね」「よくできた」など、どんな言葉でも構いません。若手社員の頑張りには、「プチ褒め」で応えましょう。

 

叱責よりもイエローカードの基準を示しましょう。

いきなり若手社員を叱責するのは、NGです。それよりも、なぜダメなのかを筋道・理由を明確にすることで、若手社員の納得を促せます。

もし叱責せざるを得ない場合は、叱責をする前に、叱る基準を明確にした「イエローカード」を示しておきましょう。その「イエローカード」枠を超えた段階で、初めて「叱る」という行動に移るのがベターです。

 

目標を設定するときは、目的も併せて提示

若手社員の意欲を促すためには、眼前の仕事が、お客先様・社会にどう貢献するかを明確に伝えましょう。上記で述べたように、多くの若手社員は、出世・褒賞といった目に見えるインセンティブになりません。

若手社員に対し、仕事の目標を設定する際は、目的も併せて提示しましょう。そうすれば、高い意識を持って動いてくれるはずです。

 

以上のポイントを意識し、明日からの若手社員とのコミュニケーションに取り組んでみてはいかがでしょうか。

そうすれば、少なからず意識していない時よりも、円滑なコミュニケーションが実現できるでしょう。

必須会社名・屋号
必須お名前
必須メールアドレス
任意電話番号
必須お問合せ内容


このサイトはreCAPTCHAによって保護されています。Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

-悩み解決, 経営のヒント
-,

Copyright© 経営情報発信 , 2024 All Rights Reserved Powered by Take-sea Holdings,Inc.